ドライバーモニタリングシステム向け画像認識ソフトウェア
FaceU(R) for DMS
当社では、2013年からドライバーモニタリングシステム(DMS)向けの画像認識ソフトウェアの開発に取組んでまいりました。2018年から、国内外の大手自動車部品メーカ様、自動車用品メーカ様の量産車向けDMSにFaceU(R) for DMSをご採用いただき、累計約78万台の出荷実績(2021年12月末時点)を誇っています。
交通事故低減のために、よそ見、注意散漫、居眠り、姿勢崩れなどのドライバーの状態を検出し警告を出すドライバーモニタリング機能が求められています。さらに、Euro NCAPに代表されるアセスメントプログラムや車の自動運転化の流れを受け、2020年以降DMSは本格普及期に入ると見込まれています。
FaceU(R) for DMSは、IRカメラやRGBカメラの画像から、人の頭部位置、顔向き、視線、まぶたの開閉度、眠気などの検出と、個人を認証する機能を有し、ドライバーモニタリング機能(よそ見、注意散漫、居眠り、姿勢崩れなどの判定やドライバー認証)にご利用いただける画像認識ソフトウェアです。
2019年10月1日からFaceU(R) for DMS Ver.2.8のライセンスを開始しました。
より多くの実環境データに基づき、ロバスト性、認識精度を更に改善しながら、従来版同様の低処理負荷、省メモリーサイズを実現しています。また、当社の乗員状態認識ソフトウェアと併用いただくことで、携帯電話操作などの危険行為や喫煙行為も認識でき、お客様の高度なDMS製品開発に貢献いたします。
当社は量産車における採用実績で培った経験と技術を元に、今後もFaceU(R) for DMSの高性能化、高機能化を実現し、お客様のDMS開発を支援してまいります。
FaceU(R) for DMS特長
1.省資源かつ高性能
従来の統計的解析手法と、新たに開発したDeep Learning高速推論エンジンを組合せ、コンパクトかつ高性能を実現。GPUやFPGA、NPUは必要なく、比較的安価なCPU(例:ARM Cortex-A7 1GHz x 1)のみでもリアルタイムな処理が可能。
図1:検出有効範囲
2.広範囲な顔向きでも検出可能
検出有効範囲:Yaw -90~+90度、Pitch -40~+70度(図1)
カメラ設置位置の自由度が高く、様々な車室内機器との組合せが可能(図2)
図2:組み合わせ可能な機器例
3. 低画質に対する高いロバスト性
明るさ、低解像度・ぼけ、ノイズ等不鮮明画質に対しても高精度に認識(図3)
比較的安価なカメラ、少数の光源でも動作するためシステムコスト低減に貢献
図3:低画質に対する高いロバスト性(明るさ、解像度、ノイズ)
対応プラットホーム
CPU, OSを問わないポータブルな設計で、各種プラットホームに対応。メモリサイズやCPUパワーに合わせたチューニングも可能(オプション)
動作実績のあるプラットホーム
・Renesas R-Car E2
・Renesas R-Car M2
・Renesas R-Car V2H
・Renesas R-Car E3
・Renesas R-Car M3
・Renesas R-Car M3N
・Renesas R-Car H3
・Renesas R-Car V3H
・Renesas R-Car V3M
・NXP i.MX6
・NXP i.MX7
・NXP i.MX8
・Panasonic GerdaC
・Allwinner V40
・Allwinner V3
・Ambarella A12A55
・RasberyPi 3B
・XILINX ZYNQ7010
・XILINX ZYNQ7020
・XILINX ZYNQ UltraScale+ MPSoC
リファレンススペック
ソフトウェアサイズ
- ライブラリ: 25MBytes
- RAM: 24MBytes (入力画像サイズVGAの時)
機能
- 顔認証(マスク装着顔にも対応)
- 顔検出
- 顔パーツ検出
- 頭部位置検出(3次元)
- 顔向き
- 視線
- 目開閉度
- まばたき検知
- 開口度
- 眠気
- 年齢推定
- 性別推定
認識条件
顔サイズ: 40 pixels以上
顔向き条件:Yaw: ± 90度以内, Pitch: -40 ~ +70度, Roll: ± 45度以内
マスク、サングラスなどの遮蔽物にも対応
パフォーマンス
- 15-20fps (ARM Cortex-A7 1.0GHz x 1Core)
- 30fps(ARM Cortex-A53 1.0GHz x 1Core)
* 利用機能・条件による
ソリューションデモ
DMS with Cluster on R-Car E3
Renesas R-Car E3 1チップ上で、DMSと高性能グラフィックスCluster描画。
DMSの検出内容に応じ、Clusterは音と映像で警告表示